エスカレーター

先日デパート内を歩いていたときのことです。
少し前を外国人の親子が歩いていました。
お母さんが赤ちゃんを抱っこしていて、そのすぐ後ろを34歳くらいの女の子が
お母さんと手をつないで歩いていました。
その親子が下りのエスカレーターに差し掛かかり、お母さんが先にエスカレーターに乗り、
その直後に女の子が乗ろうとしたときです。
その子はちょっと躊躇するような仕草を見せました。
私は「あれ?どうかしたのかな?」と一瞬頭をよぎったのですが、
女の子はすぐにエスカレーターにぴょんっと飛び乗りました。
しかし、バランスをくずしたのか、怖くなったのか、
その子はお母さんの手を振りほどき、くるっと後ろを向くと
エスカレーターを逆向きに上ろうとしはじめました。
けれど動く速さには勝てず、手足をバタバタさせても元の位置には戻れません。
顔はみるみる恐怖の表情に変わり、ついに泣き出してしまいました。
更に慌てたその子は転んでしまい、ステップの上に倒れ込んでしまったのです。
「あっ!危ない!」私はとっさに駆け寄りました。
お母さんは、必死にその子に向って何かを叫んでいましたが(外国語だったので何と叫んで
いたかは不明です。)赤ちゃんを抱っこしているので思うように動けません。
追い付いた私は女の子を抱き起すと、一緒にしゃがんだまま下まで降りて行きました。
その間、下ではお母さんが取り乱した様子で叫んでいて、
その子も怯えた様子で泣き続けていました。
下に着いて、その子に怪我がないことを確認し「もう大丈夫だよ。」(日本語です。)
と言うと、その子もお母さんも段々と落ち着きを取り戻してきました。
女の子はお母さんに駆け寄って、ギュッとお母さんの手をつかむとニコッと笑いました。
それを見てお母さんも安心したように笑顔になると、私に向かってお礼の言葉(外国語だったので
おそらくです。)を言って親子で歩いて行きました。
今回、とっさに行動できたのは、私にも同じ年頃の子供がいるので、なんとなくその親子のことが
目に留まっていたからだと思います。
そして、やはり私の子供もエスカレーターに乗るときは躊躇いを見せるので。
普段、何気なく乗り降りするエスカレーターですが、小さな子供にとっては
ちょっとした障害なんだと気付かせてくれたことで、
普段気付いていないだけで、世の中の様々な立場や状況の人が、
様々なことで障害に感じていることがたくさんあるはず…。

そんなことを改めて考える出来事となりました。