タイトルなし

 

ほんの譲り合い

 

 

帰宅のため駅のホームで電車を待っていました。

ちょうど会社帰りのラッシュの時間でしたので

電車を待っている列は、かなり長くなっており、

やむなく一番後ろに並びました。

 

私の前には歳の頃、20代前半の学生らしき男性が

杖をついて立っていました。

 

しばらくして

“列の間隔を詰めて、前にお進みください”

と駅のアナウンスがあり、

私の前にいる男性が、びっこを引きながら前に進みました。

 

(脚に障害を持った人なんだ...)

 

と思いながら見ていると突然、その男性は私の方へ振り向いて

「僕、この次の電車に乗りますので、よかったら前へどうぞ!」

と、私に微笑んで声を掛けてくれました。

 

(脚に障害を持った人なんだ...(まだ若いのに気の毒だなぁ))

 

と思いながら見ていたので一瞬、ギクっとしましたが

『私も、次の電車へ乗るところだったので、そのまま前へどうぞどうぞ!!』

と切り返し、お互いに笑ってしまいました。

 

可哀そうな気持ちで男性を見ていた私の方が

心が狭くて可哀そうなのかもしれない...

 

ふと、そんな事を思いました。