模型店にて

昨今、プラモデルがブームとなっているのは、ご存知でしょうか。

特に、某有名ロボットアニメのプラモデルは40年以上の歴史があり、コロナ禍の巣篭もり需要でブームが再燃しました。人気のあるプラモデルの発売日は、大人が早朝や深夜からお店の前で並ぶほどです。

かくいう私もその1人なのですが、今回は模型屋での出来事を書きたいと思います。

その日は特に新発売の物はない日でした。
小中学生の兄弟と思われる2人が、店内でプラモデル用のニッパーを選んでいるようでした。

とはいえ、模型店にはニッパーといっても10種類以上はあり、同じ値段帯でも数種類あるようなものです。
その兄弟は決めかねているようでした。

多くの業界では、そういったお客さんに店員が声をかけてあげるのが普通だとは思いますが、昨今のプラモデル業界では、一部の迷惑客の対応でお店側は辟易しており、親切に対応してくれるお店は少なくなったと個人的に感じています。

そのお店も例外ではなく、その兄弟に対して声をかける様子はありませんでした。

そんな中、その兄弟に声をかけたのは、4,50代のいわゆる「プラモ好きのおっちゃん」でした。

その兄弟は、真剣にその「おっちゃん」の話を聞いて、ニッパーを選び、「おっちゃん」にお礼をして、ルンルンな足取りで帰っていきました。

その光景を見て、私も小学生の時に、模型屋に自転車で通って、「タバコ臭いおっちゃん」からプラモデルの作り方を教わっていたことを思い出しました。

「おっちゃん」の親切が、若い世代に伝わって、そのまた次の世代に親切が引き継がれることで、プラモデルというコンテンツは長く愛されているのだなぁと感じました。

私も「おせっかいにならない程度」に親切を引き継いでいきたいと思います。