お花、きれいだね

先日、娘を保育園に送迎していたときのことです。

道沿いのお宅の玄関先に、きれいな紫陽花が咲いていました。娘がその花を見つけて立ち止まり、「パパ、このお花きれいだね」と言いました。

そのとき、ちょうどそのお宅の玄関が開いて、70代くらいの女性が出てこられました。私は少し慌てて「すみません、立ち止まってしまって」と声をかけたのですが、その前に娘が先に口を開きました。

「このお花、すごくきれいだよ。だれが育てたの?」

女性は一瞬驚いたご様子でしたが、すぐに顔をほころばせて「私が育てたのよ」とおっしゃいました。すると娘は「すごいね!じょうずだね!」と満面の笑みで言いました。

女性はとても嬉しそうに笑われて、「毎年咲いてくれるのよ、ありがとうね」と娘の頭をそっと撫でてくださいました。お別れするときには「また見に来てね」と手を振ってくださいました。

帰り道、娘は「おばあちゃん、笑ってたね」とぽつりと言いました。

2歳の娘には、きっと「褒める」という意識はなかったと思います。ただ、きれいだと思ったものを、きれいだと伝えた。それだけのことです。でもその一言が、見知らぬ方の夕方を少し明るくしたのだとしたら、これ以上素敵なことはないと思いました。

素直な言葉は、それだけで誰かへの贈り物になると感じました。