活動報告


伝えようとする気持ち
こんにちは、品川八潮ショップ 小林です。
実は昨日の帰り、乗車した電車が発車前に他車両の人身事故で運転見合わせになってしまい、
1時間近く車内にとどまるハメになってしまいました(・・;)
でもそこでちょっと素敵な体験をしたので、今日はそれを書こうと思います。
その電車は仕事帰りのサラリーマンやOLで混雑していました。
そこへ人身事故の発生と、1時間ほど運転を見合わせるとのアナウンスが。
私を含め、皆さん思わずため息を漏らしました。
「まぁ仕方ないな」と思い、本を取り出し立った状態で読み始めたところ、
目の前に座っていた高校生と思われる白人の男の子が小さな声で「すいません」と話しかけてきました。
少し身をかがめて私が返事をすると、彼は片言の日本語でなぜこの電車は発車しないのか尋ねてきました。
なるべく簡単な日本語で状況を説明したのですが、
どうやらあまり理解できないようで不安そうな表情を浮かべています。
私の頭の中にはいくつかの英単語が浮かんできましたが、口にする勇気がどうしても出ません。
彼は駅のアナウンスにも一生懸命耳を傾けていますが、やはり状況がわからないようです。
そんな彼の表情を見て、何とか今の状況を伝えることはできないかともどかしい思いでいたのですが、
ふと思い立って私はスマホのメール機能を立ち上げました。
そして本文に、事故であること、1時間後に運転を再開する予定である趣旨の英文を打ち、
うまく伝わるだろうかとドキドキしながら彼にその画面を差し出したのです。
画面を見た彼は納得したように大きくうなずいてくれました。
どんな事故かと尋ねてきたので、人身事故である旨を打って再び彼に画面を見せたところ、
彼はありがとう、というように小さく会釈をし、安心したような表情を浮かべてくれました。
英語を話す勇気が出なかったのは残念だけど、文字で伝えることができてよかったなぁ、
あきらめなくてよかったなぁと私は満たされた思いで本の続きを読みはじめました。
するとしばらくしてふいに彼が立ちあがり、小さな声で「どうぞ」と言って席を譲ってくれたのです。
電車が動き出すまでにはまだまだ時間があります。
私に席を譲ったら、彼はこのあと立っていなくてはなりません。
「いいんですか?」と聞くと彼がニコニコしているので私は恐縮しつつも座らせてもらうことにしました。
「ありがとうございます」と言うとまた素敵な笑顔を返してくれました。
電車が動き出してからも恐らく徐行運転であることを思うと
立っているのが正直しんどくなってきたところだったのでとても助かりました。
おそらく彼は、私に対するお礼の気持ちを込めて席を譲ってくれたのでしょう。
自分が長い時間立たなければいけないかもしれないうえ、
彼からすれば外国人の私に席を譲るのは勇気も必要だったと思います。
それを思うと、ただ席を譲ってもらった時以上の嬉しさが込み上げてきました。
言葉でのコミュニケーションが満足に取れたわけではありませんが、
伝えようという思いがあれば気持ちはちゃんと伝わるのだとしみじみ感じた出来事でした。