優しさの伝染

雨が急に降りだしたときのことです。

横断歩道前、赤信号で待っていると向こう側に車椅子の方がいるのが見えました。

手で漕ぐ車椅子でしたので、当然傘も差さず雨に濡れていました。

その光景を見ていると、すかさず後ろから男性の方が、その方をスッと傘の中に入れました。

その時なぜか私も嬉しい気分になりました。

次は私が「誰かの手助けができたら良いな」と、感じました。

 

それから数週間後、いつものように通勤しているときのお話です。

混雑している駅を歩いていると、目の前に車椅子の方がいらっしゃいました。

その方は、駅構内の坂を力一杯に車椅子で登っていました。

私は、横から「押しましょうか?」と一声かけました。

すると少し照れ臭そうに「どうも」とおっしゃいました。

そのまま、後ろから坂を登りきるまで押していきました。

登りきった所で再度お礼も頂き、私も少し照れ臭くなりましたが、とても心が満たされた感じがしました。

それと同時に、私が、傘を差しだした人を見て優しい気持ちになれたように、

私を見た人も優しい気持ちになり、「誰かの手助けをできたら良いな」なんて

思ってくれていたら良いなと思いました。