親切心エピソード


親切心エピソードのご紹介
ペンネーム「りり」様からの心温まるエピソード
ペンネーム「りり」様から、心温まるエピソードが届きました。
頂いた原文のまま、下記にご紹介させて頂きます。
「私のおまもり」
私の第一志望の受験の日。学力試験が終わり、面接の順番を待っていた時のことです。
試験会場の担当をしていた生徒さんの輝く姿に見惚れ、この高校に絶対受かる!と心に誓ったものの、この面接で合否が決まる、と思うと緊張してしまい、震えが止まりませんでした。
そんな時、試験会場の担当していた生徒さんが
「寒いの?大丈夫?私、カイロ持ってるからあげる」
と、カイロをそっと手渡してくれました。
カイロに目を落とすと、「がんばれ」の文字。
そのほんのりとした暖かさが、心の緊張を和らげてくれたのを今でも鮮明に覚えています。
その翌日、合格発表の日
無事その高校に合格し、心弾む気持ちで合格証の入った大きな封筒を抱えながら、学校の近くのバス停に向かいました。
すると、受験の時にカイロをくれた先輩が友達と楽しそうにおしゃべりしながら、バスを待っている姿が目に入りました。
合格したことと、カイロのお礼を伝えたかったものの、自分のことを覚えているか不安で、自分から話しかけるのに気恥ずかしさを感じ、近くで様子を伺っていました。すると、
「あっ!昨日の子だよね。合格おめでとう!」
と、私の抱えている封筒を見つけ、話しかけてくれました。バスの中では、学校帰りのおしゃべりに交じり、はやくも、思い描いていたような高校生活が幕を開けました。
未だにそのカイロは、合格証とともに私の部屋に飾ってあります。