【当たり前じゃない幸せ】

 私には基礎疾患があり、主婦であるにもかかわらず、家事・育児の面で家族にサポートを得ないと生きていくことができない。
 正直、とても情けないことだと自分では思っているし、基礎疾患を言い訳にした、単なる怠け者なのではないか、とすら思う。

 しかし、私を助けてくれる人、とくに夫は、私のことを助けるのは当たり前のことだと言ってくれている。
「ありがとう」
 そう言うたびに、夫は、何が、と、笑って返してくれる。
 私にとってはとても大きな支えでも、夫にとっては、いい意味で小さな親切、ぐらいの認識でいるようなのだ。

 もちろん、最初からこんなに穏やかな関係だったわけではなくて、さんざん喧嘩もしたし、離婚を真剣に考えたこともある。
 だからこそ、夫がくれる“小さな親切”が、今は本当にありがたいと思う。

 生活していくうえで、家族からやってもらうことは、当たり前だと思いがちだ。
 けれど、“小さな親切”を当たり前だと思ってしまったら、それはもう、対等な関係ではないと思う。
 私は、この当たり前ではない幸せとともに、生きていきたいと思う。